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山川 浩二*; 知見 康弘; 石川 法人; 岩瀬 彰宏*
Journal of Alloys and Compounds, 370(1-2), p.211 - 216, 2004/05
被引用回数:1 パーセンタイル:12.41(Chemistry, Physical)Pd系希薄合金(Pd-1at.% Fe-H及びPd-1at.% Ag-H)における水素の移動について、50K付近の電気抵抗測定により調べた。0.5MeV電子線を15K以下で照射することにより不規則化した水素原子は、試料の昇温中に原子移動により規則化した。このときの電気抵抗の回復曲線には、電子線照射した試料では2つのサブステージが、急冷した試料では1つのステージのみが見られた。各ステージでの水素の移動エネルギーは、規則化に起因する電気抵抗変化をクロスカット法で解析することにより得られた。低温ステージでの移動エネルギーは高温ステージよりも小さく、高温ステージでの値は急冷の場合と同程度であった。Pd系合金に関して、照射による水素原子の不規則化と急冷によるものとの違いについて議論する。
馬場 信一; 石原 正博; 皆川 宣明; 鈴木 淳市
Proceedings of International Conference on Advanced Technology in Experimental Mechanics 2003 (ATEM '03) (CD-ROM), 4 Pages, 2003/09
本論文の目的は、円筒型の炭素繊維強化炭素複合材料の製造過程で発生した層間剥離(クラック)の原因である残留応力分布を明らかにすることである。残留応力の測定は日本原子力研究所の第3号原子炉に付設した中性子散乱実験施設の残留応力測定装置(RESA)を用いて行った。残留応力測定の結果、円筒型炭素複合材料の内部には圧縮応力が分布しており、その巨視的な残留歪み/応力はおもに材料内部に分布している気孔の変形として吸収されることがわかった。
知見 康弘; 岩瀬 彰宏; 岩田 忠夫*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 209, p.159 - 164, 2003/08
被引用回数:2 パーセンタイル:21.23(Instruments & Instrumentation)白金薄膜に10K以下で高エネルギーイオン照射したときの欠陥の蓄積を電気抵抗率測定により調べた。実験結果は欠陥生成と選択的照射アニーリングを記述するようなモデルを用いて解析された。高エネルギー(100MeV)重イオン照射において、電子励起による照射アニーリングがおもに照射初期に観測された。欠陥蓄積曲線及び欠陥回復スペクトルから、電子励起によって誘起された格子の擾乱に相当する実効温度が見積もられた。
衛藤 基邦; 小西 隆志*
炭素, (186), p.30 - 35, 1999/00
IG-11黒鉛、PGX黒鉛及びASR-ORB炭素について、室温における疲労試験中の電気抵抗変化を測定した。応力負荷は引張-圧縮型で行い、負荷速度は約2.2Hとした。引張及び圧縮方向の最大負荷応力は両方向で等しく設定した。電気抵抗は試験片のゲージ部に押しつけられた銅製針を用いて四端子法によって測定した。その結果、IG-11及びPGX黒鉛では、疲労サイクル中、最大圧縮応力の時、最大電気抵抗に、最大引張応力の時、最小電気抵抗になった。一方、ASR-ORB炭素では、逆の傾向になった。また、電気抵抗は疲労サイクル数の増加とともに増加したが、これは主として引張負荷応力に起因すると考えられた。電気抵抗増加-疲労サイクル数曲線には、疲労破壊が起こる以前に抵抗増加率が上昇する点が存在していた。この事実は、疲労試験中電気抵抗測定が疲労破壊予測に応用できる可能性を示している。
星屋 泰二; 田昭 治*; 勝田 博司; 安藤 弘栄
日本金属学会誌, 56(7), p.747 - 756, 1992/00
低圧水素(1.1~78.5kPa)を吸収させたTi-50.5at.%Ni合金について、電気抵抗測定、引張試験、X線回折及び組織観察を行ない、Ti-Ni系合金の変態特性及び変形挙動に及ぼす水素の影響について調べた。電気抵抗測定及び引張試験結果から、この合金のM温度は水素濃度とともに低下した。これは試料冷却過程のX線回折実験から判明した、水素による母相の安定化現象、すなわちマルテンサイト変態遅滞効果に対応する。すべり変形誘起応力は水素濃度とともに変化した。水素濃度が0.032mol%を越える場合は固溶体硬化現象(hardening)が、0.032mol%以下の場合は固溶体軟化現象(softening)が支配的であった。水素濃度が1.9mol%以上になると水素化物が形成した。これは組織観察において確認されたR相の兄弟晶の再配列や水素吸蔵後の母相格子の格子歪増加と関連する。
星屋 泰二; 高村 三郎; 有賀 武夫; 小桧山 守*
Japanese Journal of Applied Physics, 29(8), p.L1443 - L1445, 1990/08
被引用回数:4 パーセンタイル:29.73(Physics, Applied)室温でヘリウム照射した多結晶Bi-Sr-Ca-Cu-O系薄膜について磁場中における電気抵抗の温度依存性を抵抗法を用いて測定した。その結果、低抵抗領域での遷移温度の拡がりは照射フルエンスの増加とともに抑制された。また、実効活性化エネルギーはイオン照射により増加した。これらの変化はイオン照射で導入されたピンニング・センターの存在に起因している。
高村 三郎; 星屋 泰二; 有賀 武夫; 小桧山 守*
Japanese Journal of Applied Physics, 28(8), p.L1395 - L1397, 1989/08
被引用回数:3 パーセンタイル:23.67(Physics, Applied)Bi-Sr-Ca-Cu-O超電導薄膜を室温で400KeV Heイオン照射し、照射後の昇温に伴う臨界温度の回復過程を調べた。200~500Cの焼鈍によって臨界温度および常電導状態での電気抵抗は急激に回復する。超電導110K相は、600C焼鈍によって成長する。焼鈍する時の雰囲気として空気中で行ったとき、真空中で行ったときの差違を議論する。
高村 三郎; 有賀 武夫; 星屋 泰二
Japanese Journal of Applied Physics, 28(7), p.L1118 - L1120, 1989/07
被引用回数:13 パーセンタイル:58.98(Physics, Applied)Bi-Sr-Ca-Cu-O系高温超電導体薄膜を400KeV-Heイオン照射し、電気抵抗法による臨界電流の磁場中測定を行った。照射欠陥による磁束線のピンニング強さを調べるための一つの実験手段として、磁場中冷却の場合と零磁場冷却の場合について測定を行ったところ、照射したものは著しい差が現れた。これらの実験から照射により生成した磁束線のピンニング強さに分布があることを確認した。またピンニング強さを求めた。
高村 三郎; 北島 一徳*; 安部 博信*
Journal of Nuclear Materials, 144, p.205 - 206, 1987/00
被引用回数:2 パーセンタイル:64.42(Materials Science, Multidisciplinary)Fe-Crフェライト鋼およびこれにNiを加えたオーステナイト鋼を低温で中性子照射した後、電気抵抗の等時焼鈍曲線を求め、点欠陥の回復過程を調べた。格子間原子の移動がフェライト鋼では主に180kで起こるが、オーステナイト鋼では110kから始まる。オーステナイト鋼では400kに大きな回復が見られる。空孔移動によっている。照射欠陥生成による電気抵抗増加量が2つの鋼で大きく異なっている。
衛藤 基邦
Journal of Nuclear Materials, 138, p.131 - 134, 1986/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.36(Materials Science, Multidisciplinary)中性子照射した異方性原子炉用黒鉛SMGの圧縮破壊に伴う電気抵抗変化を測定し、非照射の場合と比較することにより照射黒鉛の変形と破壊の機構を考察した。圧縮強度の0.1~0.3の応力レベルでAcross-grain試験片にみられる抵抗減少は照射(970-1000C、1.110n/m(E29fJ)の場合の方が非照射に較べてはるかに大きかった。同様の応力レベルでwith-grain試験片に見られる抵抗増加量は照射、非照射間で大きな差が認められなかった。この現象を照射中に形成される格子間原子ループの寄与として説明を試み、また、圧縮破壊応力の約50%以上の応力レベルから破壊に至るまでの過程は照射、非照射でほぼ同様と推察した。
高村 三郎; 有賀 武夫; 仲田 清智*
Journal of Nuclear Materials, 136, p.159 - 163, 1985/00
被引用回数:15 パーセンタイル:84.23(Materials Science, Multidisciplinary)22種類の金属をLHTLにおいて核分裂スペクトルの中性子を極低温照射し、照射後電気抵抗による増加量を測定し、照射欠陥のはじき出し断面積を求めた。一方、核分裂中性子による弾性散乱,非弾性散乱断面積から計算上のはじき出し断面積を求め、実験値との比較を行った。計算値と実験値の比は面心立方金属に対しては0.3~0.4、体心立方金属では0.6~0.8であった。またはじき出し断面積は原子番号に対して減少関数であることを示した。
仲田 清智*; 高村 三郎; 正岡 功*
Journal of Nuclear Materials, 131, p.53 - 60, 1985/00
被引用回数:16 パーセンタイル:85.27(Materials Science, Multidisciplinary)極低温で高速中性子照射した4種類の高度ステンレス鋼の点欠陥の回復過程を等時焼鈍,等温焼鈍によって測定解析した。格子間原子,空孔は夫々100Kおよび300K以上で移動すること。電気抵抗の回復は照射欠陥の消滅による抵抗減少と構造変化による抵抗増加の2成分から成り立つことなどの結果を得た。
仲田 清智*; 高村 三郎; 多田 直文*; 正岡 功*
Journal of Nuclear Materials, 135, p.32 - 39, 1985/00
被引用回数:4 パーセンタイル:54.54(Materials Science, Multidisciplinary)銅とアルミニウムを約5Kで高速中性子照射し、その後300Kに焼なましをし、これらをくり返し行った。4.2Kでの磁場中の電気抵抗変化を測定し、加工度と純度の影響について調べた。その結果、照射による電気抵抗増加量は銅はアルミニウムの1/3であるが、照射後300Kに焼なますと約20%は残留する。この残留量は加工材の方が焼鈍材より小さい。また電気抵抗比が1400の高純度材の磁気抵抗増加量は電気抵抗比300のものより大きく、磁場を増すと共に増加する。加工材の照射前の電気抵抗はかなり大きいので、安定化材として使用するには、電気抵抗比が300位の銅の焼鈍材が最適である。
小桧山 守*; 高村 三郎
日本金属学会誌, 49(7), p.491 - 494, 1985/00
水素添加したバナジウムを液体ヘリウム中に急冷し、等時焼鈍曲線を求めた。同じ試料を高速中性子照射した後、急冷実験を行い、照射前後の凍結水素量や回復過程の差を比較検討した。急冷凍結による水素の固溶量は照射によって減少する。照射欠陥によって水素が捕獲され、水素化物の形成によって説明できる。
仲田 清智*; 高村 三郎; 多田 直文*; 正岡 功*
日本金属学会誌, 49(3), p.157 - 162, 1985/00
磁気閉じ込め方式の核融合炉には,ごく少ないエネルギー消費で高磁場を発生する超電導磁石が使用される。それに用いられる超電導磁石材料は,核融合反応によって生じる高速中性子や線の照射を受ける。現在考えられているトカマク型核融合炉の遮蔽の厚さは,これらによる超電導磁石の放射線損傷を許容できる範囲内に抑えるという条件で決められ,超電導磁石材料の放射線照射による性質の変化を明確にすることは,炉設計や炉のコストに大きな影響を及ぼすと考えられる。
小桧山 守*; 高村 三郎
Phys.Status Solidi A, 90, p.253 - 276, 1985/00
被引用回数:7 パーセンタイル:44.9(Materials Science, Multidisciplinary)極低温で各種銅、銀希薄合金を高速中性子照射し、内部摩擦および電気抵抗測定を行い、各温度に焼鈍したことによる内部摩擦スペクトルの成長消滅を調べ、電気抵抗の回復挙動と比較を行った。格子間原子-溶質原子複合体は2~3の成分から成り、それそれの移動温度を知ることが出来た。各合金の複合体の特性について議論した。
高村 三郎; 小桧山 守*
Radiat.Eff., 91, p.139 - 153, 1985/00
各種ニッケル合金を極低温で中性子照射した後、電気抵抗の等時焼鈍曲線を測定し、照射欠陥の回復過程を調べた。溶質原子による格子間原子の捕獲によって回復ステージIの量は減少する。この減少量は溶質原子の格子間原子捕獲能力に比例するものであり、溶質原子サイズとの関連で整理した。Ni中の溶質原子濃度を増加させた時に生成する溶質原子クラスターと照射欠陥との相互作用についても議論した。
仲田 清智*; 高村 三郎; 多田 直文*; 正岡 功*
JAERI-M 83-230, 29 Pages, 1984/01
核融合炉用超電導磁石安定化材の候補材料である銅とアルミニウムを約5Kで高速中性子照射し、その後、300Kに焼なましをし、再び極低温照射する。このくり返し照射後に、4.2Kで磁場中の電気抵抗変化を測定して、加工度と純度の影響について調べた。その結果、照射による電気抵抗増加量は銅ではアルミニウムの1/3である。照射後焼なましすると、300Kではアルミニウムの場合、ほとんど元の状態になるが、銅の場合には約20%照射効果が残留する。照射による電気抵抗増加量は磁場中で測定すると高純度銅では電気抵抗比300のものより大きい。また加工を材料に加えると、300Kに焼きなましした時に照射による効果が少なくなる。しかし加工材の電気抵抗は焼鈍材に比らべて大きいために余り適当でない。安定化材として最適なものは電気抵抗比が300程度の銅の焼鈍材であることがわかった。
千原 順三
J.Phys.,C, 17, p.1633 - 1642, 1984/00
古典液体では明確に定義されている直接相関関数(DCF)は、量子液体においては明確でない。MarchやEvans,その他の人々によってDCFの定義が提唱されているが、古典液体と量子液体から構成されている液体金属に、それらを適用すると正しい記述を与えない。ここで、熱力学的な議論からDCFの一般的な定義を導いた。このDCFを用いて非均質液体を記述するWLMB方程式を量子液体にも適用できるように拡張した。量子液体の状態方程式もこのDCFで表現できることを示した。また、従来の液体金属における電気抵抗、イオン間ポテンシャルの公式は線型近似を用いているが、このDCFを用いることで非線型効果を取り入れられることを示した。
高村 三郎; 小桧山 守*
Radiat.Eff., 81, p.243 - 253, 1984/00
Al-Mg希薄合金の単結晶を低温で高速中性子照射し、内部摩擦、弾性率、電気抵抗測定を行い、格子間原子-マグネシウム原子複合体の回復過程や対称性について調べた。複合体は130Kと160Kの2つの温度で消滅する2種類があり、前者は111対称性をもっている。オーバーサイズの溶質原子であるが、計算の予想とは異なった結果が得られた。